
チラシのデザインのお話をいただく際に、驚くのは、チラシ制作の担当者やデザイナーが、その商品を使っていないことが多いということです。
実際は、シニア向けの商品のチラシデザインを20代や30代がやっているので、使うこと自体に無理があるかもしれません。しかし、無理があるからこそ、使ってみないといいチラシのデザインを作ることができません。
この記事では、チラシデザインの担当者が自社商品を使ってみたほうがいい理由をお話しします。
1:実感できる
当たり前の話のようですが、自分で使ったことのない商品のよさを伝えることはできません。この話をすると、「数回は使ったことがある」という話になるのですが、ファン客の場合は、何度も使っているわけです。何度も使うということは何らかの実感があるわけで、ここが商品の強みです。
ですから、チラシの担当者は、商品のよさを実感できるまで使い続けることが大切です。
この点は必ずチラシデザインの精度に反映されます。
例えば、ユニクロの接客がいいとすれば、それは彼らが自社商品を毎日来ているからです。スタッフ自体が広告になるし、お客さんに質問をされたときには、適切な答えを出すことができます。
一方で高級レストランやホテルの接客がいまいちの場合、接客のスタッフが自腹で自社のサービスを利用できないということがあります。
失礼な言い方をすれば、お客さんのレベルとスタッフのレベルが違う場合は、「こんなことにお金を使うなんて」なんて思っていることもあるかもしれません。もちろん、高級店にはマニュアルがるので失礼な態度を取ったりはしないでしょうが、マーケティング発想も生まれにくいと言えます。
もしかしたら、化粧品のチラシデザインを男性が行っている場合は?と不安になるかもしれませんが、その場合でも使ってみることが大切です。
2:予測だけで走らない
自分が買ってほしいお客さんと年齢に開きがある場合や性別が違う場合は、使って実感というのは難しいかもしれません。
その場合でも使ったほうがいいし、身近な奥様やご主人に使っていただくなど、生の声を大切にしていただきたいと思います。
よさそうに見えるチラシデザインに効果がない場合のほとんどは、「こうだろう」という予測で走り、お客さんの感覚とずれていることが理由です。
自分が使ってみてどうか、お客さんはどう感じるのか、その後にどんな行動をするのかは予測ではわからない部分があります。
シニアのマーケティングを理解しているマーケッターは、60代の男性に「りかちゃん人形」を販売したりします。お孫さんのためにおもちゃを買うという購買心理を理解しているからこそのマーケティングですが、こうした発想は行動を見るところから生まれます。
3:お客さんのことがよくわかる
予測するに、これはとてもいい広告です。商品の特徴がわかりやすい。広告の担当者が使ったからわかることだと思います。
ただし、どんなにいい広告を作成しても、お客さんが「濃くない」と思えば逆効果です。成分の割合だけでなく、大切なことは実感です。
成分の割合が「濃い」としても、お客さんが実感できなければ「濃くはない」ということになります。
また、なぜ濃いということをお客さんが望んでいるのか?この理由を突き止めることができれば、チラシデザインは効果的なものになります。
4:悪い部分もよくわかる
自社商品を使ってみると、「おや?」と思うことがあります。効果が実感できないということであったり、チラシに使った写真と印象が違うことがあります。
こうした違和感はすべてお客さんも感じていることです。
そのまま放置するのではなく、必ず改善をすることをおすすめします。
5:他社製品との違いがわかる
お客さんは自社の商品とどの商品と比較しているのかを知っておくことが大切です。
チラシデザインをする時は、競合の商品を買ってみること。そして使ってみること。そうすることで違いがよくわかります。
また、どのようなチラシデザインや広告を作成しているのかを知っていくことも大切です。
基本中の基本ですが、忙しいからこそ、疎かにしてはいけない内容をお伝えしました。
まとめ
チラシのデザインをする時は、関係者一同が必ず自社商品の愛用者になることが大切です。できれば、実際にお金を出して使ってみることをお勧めします
自分なら買わないものをお客さんに売るのは不可能だと考えたほうがいいという話でした。