
売れるキャッチコピーはどうやって作るのか?
チラシ作りを担当していれば、キャッチコピーの大切さを痛感している人が多くいます。しかし、売れるキャッチコピーを作るのは簡単ではありません。
今回は、黒酢ニンニクの通信販売会社で広告を作成している高野さんからいただいたキャッチコピーの相談にお答えする形でお伝えします。
前回の相談内容はこちら
『売れるチラシを作成するために、世界で一番重要なこと』
売れるキャッチコピーはどうやって作る?
「印刷ファイターさん、前回のお話を受けて、お客さんを調べました。これまで60歳以上の女性をメインにしてきました。
特に特定の個所が痛い人ではなく、体力を維持したいとお考えのようです。そこで、男性向けのチラシを作成しようという話になりました。印刷ファイターさん、アドバイスをいただけますか?」
「よく調べましたね。どんなキャッチコピーを考えたのですか?」
「黒酢ニンニクはシニアの方が元気になるために服用します。今回考えたのは、次の3つです。
>
- 最近、「なんで、そんなに元気なんですか?」と言われます。
- 休みたいけど、休めないあなたに・・・
- ○○産 1日限定100個の黒酢ニンニク
>
印刷ファイターさんはどれがいいと思いますか?」
「むー、正直言ってわかりません!高野さんは、キャッチコピーを作る時に、どんなことを大切にしているのですか?」
・興味を引く
・メリットを伝える
・ドキッとさせる
・共感させる
・意外性
・ターゲットを絞る
ということです。」
「キャッチコピーの作り方としては正解ですね。しかし、キャッチコピーを考えるポイントは、言葉に踊らされないことが大切なのです。
ポイントは
媒体×商品知識×お客さんの悩み具合
なんですよ。」
大切なことは広告を見る人が、高野さんの会社か黒酢ニンニクをよく知っているかどうかということです。
例えば、買ってくれたお客さんに他の商品も買ってもらうためにチラシを同梱しますよね。そのお客さんは高野さんの会社を知っています。しかし、折込の場合、高野さんの会社を知らない可能性がありますよね。つまり、同じチラシでもキャッチコピーの作り方が違うということなのです。」
「確かにそうですね。知らない人に知ってもらうためのキャッチコピーと知っている人に買ってもらうキャッチコピーは違いますね。」
「そうなのです。同じキャッチコピーでも信頼がある人とない人には届き方が違います。仮に会社が知られていなくても、黒酢ニンニクが知られているなら、キャッチコピーの考え方が変わりますね。
住宅やファッション、スーパーなんかは、それが何かを説明する必要はありませんよね。その場合は、商品と価格を前面に出すことが有効になります。だから、キャッチコピーのないチラシもあります。」
「それだと、③は折込チラシ向きではないですね。②は、少し若い感じがするし、①がよさようですね。」
「そうですね。どれがいいかと言うよりも、どれが外しているのかという点で考えていく方法もありますよ。」
お客さんはどこまでその商品を知っているか?
「知っている人は知っていて、知らない人は知らないと思うんですが、各社が広告をしているので、名前くらいは聞いたことがあるというレベルだと思います。」
「お客さんが持っている知識レベルは次の5ステージで分けることができます。
1:全く知らない
⇒詳しい商品の説明は意味がない。問題に気づかせる段階。
2:聞いたことはある
⇒話題、流行である情報を伝える。ここでも詳しい商品説明は不要。
3:知り合いが使っている
⇒乗り遅れに注意を促す
4:安いものを試した
⇒ここでようやく商品の説明が有効になって来る
5:結構お金をつぎ込んでいる
⇒高品質さを告知する
ステージが上がるほど、お客さんの数は少なくなるけど、いい商品なら払ってくれる金額も大きくなります。高野さんの商品が高品質なら高くても売れるはずです。
健康補助食品の場合、ステージが下のお客さんに売るのは、薬局や大手企業が参入しているので厳しい戦いになりますよね。だから、私はステージの高いお客さんを狙うことをおすすめしています。
中小企業は安くないと売れない、後発は安くしないと売れないというのが間違った思い込みと言えるのです。
今回のチラシは、どのステージのお客さんに訴求をするか考えてみましょう。
お客さんの悩みを5ステージでキャッチコピーに活かす
「さらにいいキャッチコピーを書くためには、お客さんの悩みの特定できればいいですね。
例えば、
体力が落ちて悩んでいるのか、
体力のある知人を見てうらやましいと思っているのか、
似ているけど悩みは違いますよね。
まずは、どんなことに悩んでいるのか?
これが第一段階。
この点は、購入者の方々に「どんな悩みがあったのか?」を聞くといいですね。
次に、どの程度悩んでいるか?を考えることが第2段階になります。
悩みの深さは5つのステージに分けることができます。
1:悩み自体を知らない
悩んでいないのだから、このステージの人に売るのは難しい。まずは、問題に気づかせることが必要になります。
コピーは、「気づかせる」
⇒元気な60代ほど、何もしていないので突然危ない
2:知っているけど悩んでいない
このステージも悩んでいるとは言い難い。しかし、他の人が悩んでいることは知っているので、自分事に思わせるという教育が必要
コピーは「自分事にする」
⇒最近~ではないですか?それは●●のはじまりです
3:悩みを気にし始めている
もしかしたらと思っているので、あなたが考えている通りですよ。と後押しをする。
コピーは「あおる」
⇒すでに●●万人の人は対策をしている
4:悩みを解決する方法を調べている
商品やサービスに関する情報を持っているので、選んでもらうための理由付けが大切になる。
コピーは「比較基準を教える」
⇒●●という方法と●●という方法があって○○を求めるならうちの商品
5:悩みを解決するためにお金を使っている
商品やサービスを利用しているので、品質について理解している。だから、品質の良さを伝えることが大切。
コピーは「これしかない」
⇒あなたのためのものです。
どうでしょうか?イメージがわいてきましたか?」
「当社の製品は高品質で価格も高いので、価値のわかるお客様でないと買っていただけません。最近では、黒酢ニンニクの知名度も上がっています。
ですから、
- ○○産 1日限定100個の黒酢ニンニク
が効果的だと思います。
「そうですね。その線で考えましょう。しかし、売れるチラシを作成すためにはキャッチコピーを考えるだけでは不十分です。チラシを作成する前に、この記事を読んでおいてくださいね。
『チラシデザインを作成する時に、心に留めておきたい13の心得』
まとめ
お客さんの知識×悩みの深さ
をポイントに書くと効果的です。
例えば、
知らない×悩んでいない⇒脅し+低価格のお試し
知っている×解決にお金を使っている⇒品質+高額をお得な価格で
という具合にキャッチコピーからチラシを作成していくことになります。
ただし、お客さんは大切な友人です。ですから、大切にしていただくためにこちらの記事もお読みください。『売れるチラシ成功のポイント 顧客をファン客に変える5つのポイント』
とても参考になる本はこちらです。