小さな塾が激戦区で勝つためのチラシを作る17の手順

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塾はチラシで集客するのがセオリーです。

しかし、チラシの予算の少ない個人塾は広告予算を割くことができません。

小さな塾の集客は基本的に紹介に頼ることになります。

兄弟の満足度が高ければ、弟や妹を連れてきてくれる。友達を誘ってくれることもあります。

しかし、それでは個人塾は大きくはなりません。少子化に向かっていく社会では、自力で新規の生徒を集める方法を持たなければ縮小していくだけです。

自力で生徒を集める方法とはマーケティング戦略を確立するということです。ここでは、塾のマーケティングに欠かせないチラシの作成の17の手順についてお話をします。

2月の前半から合格者数を前面に押し出したチラシが投下されることになります。この段階においては小さな塾は不利になりますので、その前の集客手段としてのチラシの作成方法をお話しします。

 

 

この記事で想定する塾

◆A塾

高校受験(中学生対象)

大学受験(高校生対象)

売りは塾長の理念と講師力

口コミで生徒は集まっているが、少子化の影響は避けられない。

広告で生徒数を増やしたいと考えている。

・A塾の戦略としては中学生に絞った集客を行い、高校受験に成功させることで引き続き、高校でも塾に通ってもらい、大学受験を目指してもらう。

 

 

チラシの予算がない場合にホームページ集客に力を入れることは正しいか?

チラシの効果が落ちているので、インターネットに力を入れようとする塾は増えています。

考え方は間違ってはいませんが、インターネットでの集客は簡単ではありません。

参考記事「小さな店舗がチラシに連動させて集客するホームページを作る方法」

インターネッでは、検索されなければ存在がないのと同じです。正直、見てもらえないホームページを作るよりも、看板を大きく目立つようにする方が効果的です。

しかし、看板は既にあるでしょうから、次の戦略としてはチラシになります。しかし、小さな塾では、大手塾のように潤沢に予算が使えないので、練りぬかれた戦略が必要です。

特に、個人塾の場合は塾長がチラシを作ることをおすすめします。

ここから先は、塾のチラシを作成する17の手順を紹介します。

 

手順1:周辺の戦力を見える化する

ビジネスは、自分がいいと思っているだけでは勝つことができません。お客さんに受け入れられてビジネスが成立します。

自分が弱くても周囲が弱ければ勝つことができますし、自分が強くてももっと強い会社があれば負けてしまいます。

小さな塾が勝つためには、まずは、周辺の戦力を分析します。

マーケティングでは、ポジショニングと言われます。

 

周辺の塾を分類します。

分類は、規模×授業形態×講師の質で行います。

<分類>

・全国チェーン

・ローカルチェーン

・個人塾

 

<授業形態>

・集団授業

・少人数

・個別

 

<講師の質>

・専門性の高さ

・学生

 

という具合です。

 

チラシマップ

※チラシを集めてポジショニングマップを作成します。

 

手順2:ライバルの強みを洗い出す

集めたチラシを分析すると、ライバルの塾は次のような強みのアピールや集客案を実施していることがわかります。

<全国チェーンの塾>

集合

・成績別クラス

・過去の合格実績

・キャンペーン価格

・教材プレゼント

 

個別

・プロ講師・東大生が多数在籍

・公立に強いテキスト&テスト

・保護者コミュニケーション

・豊富な受験情報

・学習環境

・マンツーマンの志望校特別講座

・やる気を出させる

・授業料割引キャンペーン

・20点アップまたは80点以上の成績保証

 

<ローカルチェーンの塾>

集合

・キャンペーン(入塾金、授業料割引)

・他地域での実績協調

・入塾テスト(レベルの高い生徒にしぼる)

 

個別

・20点アップまたは80点以上の成績保証

・グループ力

・厳しい講師研修

 

傾向を分析すると、集合授業よりも個別授業の方が圧倒的に品質をアピールしやすいと言えます。

しかし、授業料が割高になるので、保護者としては悩ましいところです。

従って、小さな塾の場合、

 

個別学習

低料金

講師力

実績

が整えば勝つことがわかります。

 

しかし、資金的にも、人的確保としても、個人塾が体制を整えることは難しいですね。

 

ので、

 

・授業の形式→個別よりも価値のある集合授業

・講師力

・テキストのオリジナリティ

・テストの方式

・受験情報

・教室の環境

・成績保証制度

・コーチング(やる気を出すメソッド)

・保護者とのコミュニケーション

・価格設定

 

の分野でライバルを上回ればよいということになります。これが戦略です。

チラシ作成は、文章を書いてデザインをすればいいというものではなく、マーケティング戦略には「コンセプト」が重要です。ですから、チラシの作成前に、塾の強みについて考えます。

 

手順3:保護者と生徒のニーズを考える

個人塾の特徴は、とてもいい理念を持っていることが挙げられます。だから、共感した生徒が集まっています。講師の先生も塾長の理念に共感しているし、塾内の雰囲気もいい。

ただし、こうしたよさを自分たちがわかっていても意味がありません。新規の保護者と生徒がわかることに意味があります。そのためには、伝えなければなりません。

「うちの理念はすばらしい」という話は、独りよがりになることがあるので、理念を浸透させるためには、保護者や生徒のニーズをクリアすることが大切です。

保護者のニーズ

・成績が上がってほしい

・希望校に合格してほしい

・授業料は安いほうがいい

・努力ができる子になってほしい

 

生徒のニーズ

・希望校に合格したい

・楽しく勉強したい

・親の負担を少なくしたい

・部活と両立

・苦労しないで学力を上げたい

 

どうすれば保護者と生徒のニーズを満たすことができるのか?

ここがポイントです。

 

手順4:自社の強みすべて出す

あなたの塾を知らない保護者にすれば、理念よりも自分と子どものメリットが大切です。

まずは、あなたの塾が具体的に保護者と生徒のニーズを見たることができることを考えます。

決めつけずに、すべて出すことがポイントです。

 

◆授業の形式→個別よりも価値のある集合授業

・質問はし放題

・下を向かせない方式

・定着する方法がある

・応用力が身につく

・暗記に頼らせない

など

 

◆講師力

・講師は高学歴

・大学生を使っていない

・専任講師だけ

 

◆テキストのオリジナリティ

・○○高校の合格に合わせている

 

◆テストの方式

・○○校のテストに合わせている

 

◆受験情報

・現役高校生との面談

・○○校の先生と交流がある

・独自のデータ分析で問題を予想

 

◆教室の環境

・防音設計

・集中力を高める色

 

◆成績保証制度

・3か月で○点アップ

 

◆コーチング(やる気を出すメソッド)

・心理学に精通している

・独自の声掛け方法

 

◆保護者とのコミュニケーション

・授業をライブ中継

・毎週保護者会を開催

 

◆価格設定

・段階別に設定

こうしたニーズを満たすために、あなたの塾がどこまでリスクを取ることができるのか?が大切になります。

例えば、一人しか集客できないとすると、授業料を安くはできません。しかし、3人集客できて集団で授業ができるなら、値段を下げることも可能です。

戦略は目先の利益を追わずに、トータルで考えます。参考記事「売れるチラシ成功のポイント 顧客をファン客に変える5つのポイント」

 

手順5:USPを決める

手順4で出した強みの中で、最も保護者と生徒にメリットのあるものは何かと考えます。

それが他塾よりもメリットが大きければ、集客の武器になります。

こうした独自性をマーケティングではUSPと言います。USPとは、Unique Selling Propositionの略であり、直訳すれば「独自の販売条件」です。販売条件と言うと固いので、「販売提案」ということにします。

USPは、一般的には「他社にない強み」と説明されています。

実際、他塾にない強みと考えても、そんなに簡単には思いつくことができません。

強みとは、他塾にあってもいいのです。

ここは間違いやすいので詳しく説明をします。

 

ポイントは、手順4でお話ししたように、

こうしたニーズを満たすために、あなたの塾がどこまでリスクを取ることができるのか?が大切になります。

ということです。

あなたの塾が他の塾よりも最も確実に保護者と生徒に約束できることはなにか?

 

例えば、

○○校の合格に関しては日本一のノウハウと講師陣を育成しているとします。

この場合のUSPは、○○校の合格確率1位ということになり(大手と競争しないように、合格人数ではなく、合格確率1位がアピールポイントです)

販売提案としては

合格できなければ授業料を無料にする

12月段階でA判定が出ていなければ、正月に10時間の補修を無料でやる

ということです。

強みとは、お客さんのメリットに約束できることであり、できなかったときに覚悟を考えてもらえればわかりやすいのではないでしょうか?

 

 

手順6:USPをベネフィットに言い換える

ここで大切なことは、USPで考えた販売提案が、保護者や生徒に理解されるかということです。

行けると思うなら、それでOKです。

わかりにくいと思うなら、USPを「あなたは」を主語にして言い換えてみます。

 

○○校の合格に関しては日本一のノウハウと講師陣

あなたの偏差値が52以上なら、6か月で○○校に合格できる確率は92%です。

 

 

手順7:ペルソナを設定する

次に、A塾に最もフィットしている生徒はどんな生徒か?と考えます。

典型的なお客さん像をマーケティングでは「ペルソナ」と言います。

この場合のペルソナは、「○○校に行きたいけど、まだ偏差値が足りない生徒とどうしても行かせてあげたい保護者」というのが考えられます。

ペルソナの設定方法はこちらの記事を参考にしてください。「効果的なキャッチコピーづくりに欠かせない6つの準備」

 

 

手順8:ストーリーを考える

人はストーリーに共感しやすいと言われています。

 

あなたの偏差値が52以上なら、6か月で○○校に合格できる確率は92%です。

 

これを体現する主人公を立てます。

過去にペルソナで設定した見込み客が共感できる卒業生はいないか?

その生徒はどんな状態から、どうなっていったのか?

そのために、あなたの塾は何をしたのか?

今どうしているのか?

 

 

この本はまさにストーリーですね。塾の宣伝はしていませんが、おそらく入塾希望者が殺到しているはずです。

 

 

手順9:証拠となる素材のリサーチ

ここからはチラシ作りの準備に入ります。

USPを証明できる材料を集めます。

◆授業の形式→個別よりも価値のある集合授業

・質問はし放題

・下を向かせない方式

・定着する方法がある

・応用力が身につく

・暗記に頼らせない

など

 

◆講師力

・講師は高学歴

・大学生を使っていない

・専任講師だけ

 

◆テキストのオリジナリティ

・○○高校の合格に合わせている

 

◆テストの方式

・○○校のテストに合わせている

 

◆受験情報

・現役高校生との面談

・○○校の先生と交流がある

・独自のデータ分析で問題を予想

 

◆教室の環境

・防音設計

・集中力を高める色

 

◆成績保証制度

・3か月で○点アップ

 

◆コーチング(やる気を出すメソッド)

・心理学に精通している

・独自の声掛け方法

 

◆保護者とのコミュニケーション

・授業をライフ中継

・毎週保護者会を開催

 

これを証明することができる写真を集めます。

 

手順10:チラシの構成を考える

他社のチラシの構成を再度見ます。似たものにするのか、全く違うデザインにするのか。

チラシのデザインに関しては、以下のレイアウトがセオリーです。

 

塾チラシレイアウト

 

また、こんなチラシもあります。

 

メッセージ性の強いチラシ

メッセージ性の強いチラシ

 

 

手順11:原稿を作成する

原稿に関しては、手順10にあるレイアウトに沿って、テキストを作成していきます。

キャッチコピーで悩んだら、この記事を参考にしてください。「困った時のキャッチコピーの作り方 14の型」

 

 

手順12:エリアを考える

次は折込にエリアです。

塾の場合、学校帰りに立ち寄ることができる駅の周辺か、自宅の近くに通う傾向があると推測できます。

小学校、中学校の学区エリアがチラシの配布ポイントとなります。この時には、一気に広範囲にチラシを投下するのではなく、「お子さんが○○校へ通っている保護者の方へ」として、学区ごとにチラシを変えると効果的です。

通販でも地区を限定したチラシは効果があるようです。

SONY DSC

 

 

手順13:予算を決定する

予算はできるだけ抑える方法を考えてください。

ただし、ケチるという話をしているのではありません。

例えば、生徒一人当たりの利益が5万円とするなら、10人集めたいなら、50万円までの予算を使う必要があります。ここは必要経費です。塾の場合、その場の売上でなくLTV(顧客生涯価値)で計算します。

塾の場合継続して通ってもらえるので、利益が5万ということはありませんよね。ここは必要な投資だと思います。

ただし、印刷費用は抑えたほうがいいので、コストを抑えてチラシを印刷する方法はこちらの記事で紹介しています。

「チラシのコスト削減をして売れるチラシを作成する8つの方法」

 

ネット印刷は価格が安いですが、デメリットもあるので注意が必要です。ネット印刷のメリットとデメリットはこちらの記事で紹介しています。

ネット印刷の5つのメリットと10のデメリット

 

また、チラシの価格は紙代に大きく影響を受けるので、用紙の選び方もポイントです。

用紙の選び方はこちらで案内しています。

 

手順14:オファーを考える

どんなにいい商品でも、お客さんは購入するために不安を感じています。

オファーとは、お客さんの購入への不安をなくしてしまう提案です。

 

塾の場合、

無料体験会が一般的ですが、他にも他業界の事例を参照にオファーを考えてみてください。

オファーに関してはこちらの記事を参考にしてください。

 

 

ステップ15:デザインを発注する

ここでデザインを発注します。これまでと同じデザイナーは慣れてはいますが、反応が取れていない場合、慣れはマイナスに作用していることもあります。

またデザインはできるけれど、集客やマーケティングの知識を不足しているデザイナーも多いので、信頼できるデザイナーを選ぶことが大切です。

デザイナーの選び方はこちらの記事を参考にしてください。

 

 

手順16:テストをする

チラシが上がってきたら、そのまま印刷をしてしまうのではなく、クリエイティブテストを行います。

どんなに自分がいいと思っても、お客さんの反応は違うかもしれません。効果的なチラシを作成するためにはテストは必要です。

 

ステップ17:折り込み日を決定する

塾のチラシの場合、チラシが混戦になる週末は避けます。月曜から水曜日に入れる。または、チラシの枚数が少ない日曜日に入れます。

曜日も2日間以上選んで曜日のテストをします。今後のチラシ配布のデータとなります。

後は、問合せが来ることを期待しながら待ちます。

ただし、チラシの作成は人の心に届くものでないといけないので、深い考察が必要になります。だから、常に工夫が必要です。

 

 

まとめ

face_blueここまで塾にチラシ作成についてお話をしてきました。ずいぶんと手間がかかると思われたかもしれません。

塾長の本業は、チラシ作りでなく、授業が大切であることは重々承知しています。

しかし、生徒が集まらなければ、授業に意味はありません。

いいものはわかってもらえるという考えを否定しませんが、私たちはいい塾だからこそ、伝えることが大切だと考えています。

 

 

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ぜひ、御社の生徒募集にお役立てください。

 






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この記事の執筆者

別所諒
・社長の味方コンサルタント
・株式会社経営戦略パートナーズ代表取締役
・心理カウンセラー

著書
「普通のサラリーマンが年収1000万円になる方法」

「がんばっても成果は出ない」

中小企業の2代目社長のサポーターとして、経営、マーケティング、組織開発の相談に乗っている。

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