
売れるチラシを作成するためには、「あること」を最も大切にしなければなりません。
今回は、新人の広告担当者さんからの相談にお答えしながら、印刷ファイターがチラシ作りで最も大切なことをお話しします。
<人物紹介>
武田さん
中堅のリフォーム会社(神奈川県)の新人のチラシ担当
高野さん
中堅の健康補助食品の通信販売業(本社 香川県)の新人チラシ担当
チラシは費用対効果が悪い媒体か?
「こんにちは。チラシのヒーロー 印刷ファイターの印刷ファイターです。今日は若手二人だね。どんなお悩みがあるのか聞かせてくれますか?」
「リフォームのチラシは年々効果が下がっています。30万部を撒いて反応はないということもありました。社内では、インターネットの広告に力を入れようという話もあります。でも、社長はチラシで成功してきたので、チラシで何とかなると考えています。
「私の会社は黒酢にんにくが主力商品です。割引価格で初回にお試しをいただいて定期宅配に移行しています。同じようにチラシの効果が落ちていて、費用対効果が悪いので部数を減らそうかと言う話が出ています。」
「二人の会社ではチラシは重要なアイテムだということですね。しかし、反応が悪いので苦しくなっている。確かに、新聞の購読者が減っているので、チラシの効果が落ちているという話もあります。一方で、インターネットは検索されないと商品を見てもらえないし、広告費も大きくなってしまいます。どっちの媒体が有効なのかは一眼には言えませんね。ただし、チラシとインターネットの広告は、媒体は違うけど、共通点があります。最初にそこのことをお話ししましょう。
まず、覚えてほしいのは、効果的な広告は効果的で、効果的でない広告は効果的ではないということです。」
売れるチラシは3M。その中で最も大切なのは?
「ところで、二人はチラシで大切なことはどんなことだと思いますか?」
「お客さんの目に留まるデザイン、買いたいと思わせるキャッチコピー、折り込むタイミング、後はオファーだと思います。」
「でも、いくつものパターンを試しては当たるチラシを作ろうとしているのですが、なかなかうまくは行きません。時々、赤字になってチラシの予算を削減しようという話が出てきます。」
「経営はお金を儲けることでもあるから、赤字になるチラシを折り込み続けることはできませんね。だから、チラシの効果を上げたいということですね。」
「僕の会社は業績が苦しくて、売れるチラシを作らないと存続が危ないのです。何としてもがんばりたいと思います。」
「わかりました。焦らずに勉強していけばきっといい結果が出ますよ。
チラシを作る時に大切なことは、高野さんが言ってくれた通り。広告の業界では、3Mと言います。
マーケット
メディア
メッセージ
その中で、私が最も大切なのはマーケットです。
マーケットとは何かわかりますか?」
「その通りです。しかし、少し抽象的なので、ここでは、お客さんということにします。チラシで最も大切なのはお客さんを知るということなのです。
リフォームを考えているお客さんはどんなことを考えているのでしょうか?
- ユーザーは何に価値を感じるのでしょうか?
- ユーザーは本当は何がしたいのでしょうか?
- ユーザーは何が好きなのでしょうか?
- ユーザーは何が嫌いなのでしょうか?
多くの広告は売り手の側が「こうすればお客さんが喜ぶだろう」と一方的な想像で作られています。だから結果が出ないことがあります。
こんな話があります。
ある世界最高のコピーライターがセミナーの参加者にある質問をしました。
「もし、私とあなたがハンバーガー屋さんを始めたとします。それで誰が一番売れるか競争をします。その競争に勝つためにひとつ条件を差し上げます。どんな条件がほしいですか?」
「隠し味のソース」
「最高の牛肉」
「人通りの多い立地の店」
答えは色々でした。
コピーライターは言いました。
「わかりました。その条件をすべて提供しましょう。私もひとつの条件をもらいます。その条件があれば私はあなた方に勝てるでしょう。」
「その条件は、腹を空かせた群衆です」というものだったのです。
当たり前すぎてがっかりしましたか?
でも、考えてほしいのです。セミナー参加者のほとんどは、商品や立地など自分の側に意識が行ってしまっていました。要は商品がよければ売れるという陥りがちな罠にはまったのです。
その商品がどんなによくても、お客さんが興味を示さなければ、売ることはできません。よく起業家が失敗するのは、商品にほれ込みすぎるからだと言われます。
時々、「知ってもらえれば売れる」という人がいます。だから、広告を出す。チラシも同じです。しかし、チラシを折り込んで知ってもらっても売れない。そうすると、「数の問題だ」という具合にどんどんチラシを投下します。
マーケティングにおいて、最もお金を生みだす考えは、いい商品を作ろうとすることではありません。常に、「腹を空かした群衆」を探すことなのです。
これがあらゆる広告において、最も大切なことになります。
これを二人の習慣的な考え方にすれば、二人は最高のマーケッターになるかもしれませんね。」
売れるチラシのための『腹を空かせた群衆』の探し方
『人が欲しがっているモノを探して、それを提供する』ということなのです。
世の中は二人のためにお金を出して実験をしてくれているんですよ。」
「60歳上で元気でいたいシニアの方々です。購入者は女性が多いです。」
「では、高野さんはその人たちのことをどれだけ知っていますか?その方たちはどんな生活をしていて、何に価値を感じているのかわかっていますか?」
「例えば、趣味さがしというサイトがあります。そこでは、60歳の人たちにどんな趣味が人気なのか調べることができます。
他には、60歳以上の人が読む雑誌がいいかもしれませんね。雑誌は、特集で売れ行きが変わってくるから、編集者は読者の関心を一生懸命に考えています。お金を出して取材に行っているんですよ。書店に行けばそれらを簡単に手に入れることができますよ。」
「同じような手順でリサーチをすることができますよ。ひとつは雑誌が有効でしょう。少し前にリノベーションが流行したね。その時に、おしゃれでない格安のリフォーム商品のチラシを折り込んでしまったら、効果はないでしょうね。
他にはインターネットで検索をするという方法もあります。
Googleは便利な機能を無料で使わせてくれています。
キーワードプランナーで、どんなリフォームに関心が高いのかを調べることができますよ。
チラシにおいて大切なことは、お客さんを知ることです。チラシを作る前にお客さんについて調べてみましょう。
二人は若いので、シニアのお客さんの趣味は好みが理解できないかもしれない。それはお客さんを理解できていないということです。自分の感覚でチラシを作ってしまっている。それでは反応は得られません。
まずはお客さんについてリサーチをしてください。
自分たちに目を向けてはいけませんよ。
「腹を空かした群衆」を見つけに行くのです。それを見つけたら、チラシを投下しましょう。それはおいしいレストランのメニューのように効果がありますからね。」
お客さんのリサーチの方法はこちらの記事を参考にしてください。『効果的なキャッチコピーづくりに欠かせない6つの準備』
まとめ
マーケティングに、「商品を作る前に売る」というセオリーがあります。
商品がないのに売るというのは商道徳に反すると考えるかもしれませんが、作って売れなければ会社は損害を受けてしまいます。
ないものを売るのではなく、お客さんの意見を聞き、予約をお願いする。売れることがわかれば製造を開始する。
世の中にあるよい商品とは作り手が決めるものではなく、お客さんが決めるものだということを忘れてはいけませんね。
チラシ作りで最も大切なことはお客さんを見つけることなのです。商品に惚れるのではなく、まずはお客さんに惚れる。これが鉄則です。
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