
売れるチラシデザインができるようになるためには、知識と経験が必要です。
新人の担当者やチラシのデザイナーが、いきなり売れるチラシを作成するのは難しいかもしれません。場合によっては予算の無駄遣いになりかねません。だからと言って、新人に仕事を任せないでおくと、成長がありません。
逆に、新人の担当者やチラシデザイナーは、早く仕事を任せてもらうために、最低限でもこの記事に書かれている質問には答えることができるようにしておきたいものです。
この記事で紹介する質問は、売れるチラシを作るために知っておきたい情報となります。
記事は経験の浅いチラシデザイナー向けに書いているが、ベテランにも参考にしていただきたいと思います。
売れるチラシの作成に当たっては、経験があだになることもあります。慣れてしまって、「こんな感じでOKだろう」と思ってしまうようなことです。
企業の担当者やチラシのデザイナーは忙しいので、1点1点に時間をかけることができないことが多くあります。
だからこそ、時間がない時には、質問を見てからデザインに入っていただきたいと考えています。
1:会社(クライアント)が今の仕事をはじめた理由は?
どんな仕事でも、その仕事をはじめるきっかけがあります。創業者は何を考えてその仕事をはじめたのか?
社員として入社したとしても、チラシデザイナーとしてチラシの作成に関わっているとしても、会社の創業理由は知っておかなければなりません。なぜなら、そこがお客さんの最も共感するポイントになることが多いからです。
2:最初のお客さんはどうやって獲得したか?
ビジネスにおいて最も難しいのは、最初のお客さんを獲得することです。全く信用のない会社の商品をどうやって販売したのでしょうか?
十分にお客さんを獲得できるようになった時にでも、最初の販売方法を知っておくことは大切です。
3:最初のお客さんは、なぜ(無名の会社から)買ったのか?
買うことをためらっているお客さんはなぜ買ったのでしょうか?
もしかしたら、その商品がお客さんの課題を解決する唯一の商品で、お客さんはそれを探していたかもしれません。一方で、特に珍しい商品でない場合は、どんなメッセージを出したのか?それともお試しをしていただいたのか?
最初のお客さんの獲得方法は新規開拓に役立ちます。
4:リピートで買ってくれているお客さんの理由は?
売上のアップは新規客の獲得だけで達成するものではありません。
特殊な業界でない場合、会社の売上のほとんどはリピートのお客さんで占められています。
「8対2の法則」と言われるように、会社にとって大切にしなければいけないのは既存のお客さんであることは言うまでもありません。
しかし、チラシのデザインは新規のお客さんを獲得する目的で配布されるので、既存のお客さんのことを忘れがちです。配布されたチラシを既存のお客さんが見ることもあるのです。
既存の客さんはなぜリピートをしてくれるのか?その理由は新規のお客さんの獲得するためのアイデアにつながりやすいと言えます。
5:今のチラシは、以前に効果のあったチラシと比較してどうか?
自社がこれまで配布してきたチラシをコレクションにしている会社は多いですが、じっくりと見直してチラシのデザインに入っている企業は多くありません。
チラシのデザインを行う時には、前回のチラシを参考に見るだけでは不十分です。もちろん、前々回を見ても不十分。
これまでどんな流れでチラシデザインをしてきたのか?
大切なことは流れを読むことです。
6:以前と現在のお客さんの年齢に違いはあるか?
当然ながら、既存のお客さんは年齢を重ねます。提供している商品は年を重ねたお客さんのニーズを満たしたものになっているでしょうか?もし、合わないことがあるなら、すぐに新商品の投入が必要です。
また、同じ年齢でも時代によってお客さんの感覚は変わってきます。商品は変化させるべきものと変化させるべきでないものがあります。
あなたの会社が販売している商品はどっちに該当するでしょうか?
7:お客さんを増やすほうが効果的か、それとも既存のお客さんにもっと買っていただくほうが効果的か?
会社の売上の8割は既存のお客さんからもたらされることが多いと言えます。売上アップを目指すときに新規のお客さんにアプローチすることが有効か、既存のお客さんにもっと買っていただくことが有効か。
チラシは、折り込みやポスティングなどの新規獲得だけのツールではありません。商品に同梱することも可能ですし、DMとしても使えます。
先にDMにより利益を確保した後に、新規獲得のチラシを作成する方法もあります。予算の潤沢な大企業の場合、順番を間違っていることもあるので注意が必要です。
8:お客さんに接する時の会社の哲学は?
広告には、「トーン&マナー」という言葉があります。
「トーン&マナー」は奇抜なデザインをしないとか、上品なデザインをするということではなく、企業の哲学を基準に考えることが大切です。
お客さんはあなたの会社にどんな期待をしているのか?会社の哲学を理解してチラシのデザインを行いたいものです。そうすることで、お客さんとの関係が深くなっていきます。
9:典型的なお客さんのLTVは?
あなたの会社にとって典型的ともいえるお客さんは、どのくらいの期間にどれだけの買い物をするでしょうか?
LTV(顧客生涯価値)はいくらか?
LTVを引き上げるために、あなたの会社はどんな施策を行っているでしょうか?
10:お客さんの最大の心配事は何か?それにどう対応しているか?
お客さんの最大の心配事は、欲しい商品を買わない決断へと導いてしまうことがあります。お客さんの心配事を先回りして、チラシのデザインにはその対策が掲載されているでしょうか?
11:最大の競合はどこか?競合にあってあなたにないものは?
お客さんは、あなたの会社のチラシの情報だけを見るわけではありません。同業のチラシも見るのです。
よりよい商品を持っている競合が、どんなチラシを作成しているのかは研究しておく必要があります。
他に、お客さんは量販店やスーパーのチラシも見ます。このような中で、チラシを手にしてもらうために何をしているでしょうか?
チラシデザインの紙面だけでなく、投下するタイミングも大切になります。何曜日にどんなチラシが投下されているのか、日ごろから研究をしておくことが大切です。
12:競合の強みに対して、あなたはどんな対策を取っているか?
同じような商品で明らかな特徴を備え、それがお客さんから支持されているとしたら、その競合はやっかいな存在です。
強い競合がいる場合に、価格で対抗するのは賢い方法だとは言えません。安くても価値がないと判断したら、お客さんはあなたの商品を買ってくれないからです。
強みに対して強みで対抗する戦略があります。一方で、相手の強みに触れずに、自分の強みに特化したチラシのデザインを作成する方法もあります。
比較される会社に対しての対策が必要です。
13:あなたの商品の最大の弱みはなにか?それをどう埋め合わせているか?
どんな商品でも完璧なものはありません。どこかに弱みを抱えていることがあります。弱みとは、競合より劣る部分かもしれないし、わかりやすい効果かもしれません。
効果はあるが、使いにくいという点かもしれません。こうした弱みは、お客さんの購入意欲を下げてしまいます。弱みがあれば埋め合わせが必要です。
14:お客さんが買いやすいようにどのようにハードルを下げているか?
新規のお客さんとの信頼関係ができていないタイミングでは、購入のハードルを下げることが大切です。割引が一般的ですが、返金保証が有効な場合もあります。
ただし、日本人は返金要請ができない人が多い民族です。「どうせ返金のお願いはできないから」と考えている人が多ければ、残念だがハードルを下げたことにはなりません。
お客さんのハードルを下げるオファーのついてはこちらの記事を参考にしてください。「効果のないチラシを蘇らせる13のレスポンスアップオファー」
15:お客さんの声は十分に参考にしているか?
広告において最も信頼性が高いのは、「お客さんの声」です。お客さんの声は、どんなキャッチコピーよりも効果的です。
フォントも文字よりも、手書きの方がいいし、写真が掲載されていればなお説得力があります。
チラシのデザインに活用することはもちろん、チラシのデザインを考える際にも参考にしてください。お客さんの声は、企業にとって重要な資産となるのです。
16:お客さんが持っている不安は何か?それを取り除くために何をしているか?
有名ではない企業ほど、お客さんは買う前に不安を持っています。チラシのデザインはお客さんの不安を払しょくするものでないといけません。
製品の場合は製造工程や工場、職人や生産農家を紹介することが有効です。サービスの場合はスタッフを紹介することも信頼につながります。ただし、ただチラシに掲載すればいいというものではありません。信頼されうるに耐えられる情報であることが前提です。
紙面に限界がある場合は、インターネットを使うなどして、商品と企業の信頼性を上げることに力を入れてください。
17:前回のチラシよりも圧倒的にお客さんに届くために何をしようとしているか?
チラシのデザインは積み重ねが大切です。1回1回を単発で考えるのではなく、工夫を重ねることでより効果的なチラシデザインができるようになります。
チラシのデザインを行う時は、今回のデザインのテーマを関係者で共有することが大切です。
まとめ
初心者向けの質問を書いたようですが、チラシデザインに関税な正解がない以上、ベテランといえども工夫が必要です。
もし、チラシのデザインに思ったほどの効果がなかった場合、17の質問のどこかが欠けている可能性が高いと考えることができます。
ぜひ、毎回のチラシ作りに質問の力を活かしていただきたいと思います。