
広告で最も大切なことがキャッチコピーだと考えている人は多いですね。その考え方は間違いではありません。
キャッチコピーを考えるのは楽しい作業です。
しかし、自分主導で考えてしまうといいキャッチコピーができたと思っても反応が取れないことがあります。
この記事では、キャッチコピーを考える前に準備をしておいていただきたいことをお伝えします。
準備1:効果的なキャッチコピーの3つの流儀
まずは、効果的なキャッチコピーが必ず備えている流儀について解説します。
チラシデザインの制作者がどんなにいいキャッチコピーだと思っても、次の3つの流儀に当てはまらないものは反応が取れません。
3つの流儀とは、
お客さんが
1:自分ごとだと思う
どんなにいい商品でも、「これは誰かが買うのだろう」と思われてしまえば、スルーされてしまいます。ですから、キャッチコピーはお客様に自分ごとだと思ってもらうために、
あなたが~なる
あなたにとって~です
と書くことが原則となります。
2:他にない貴重な情報だと思う
貴重な情報とは、強い言葉を使うということになります。
例えば、新発売よりも全国に先駆けて新発売の方が強い言葉になります。
他にも、産地直送よりも、愛媛県○○町直送が強いですね。
お客さんが、このお知らせを見逃したら損かも?と思うためには、できるだけ強い言葉を使うことが効果的です。
3:記憶に留める
現代人は忙しいので、気になったことがあっても他のことをやっているうちに忘れてしまうことがあります。その瞬間、いいねと思っても忘れられてしまえば意味がないので、記憶に留めてもらうことが大切です。
自分ごと、強い言葉と共通しますが、記憶に留めてもらうためには、共感するキーワードが入っていることが大切です。
記憶に留めてもらうためには、具体的であること。
例えば、体全体よりも、膝専門の方が記憶に留まりやすいと言えます。
また、女性よりも45歳の女性専門という方が記憶に留まりやすいですね。
準備2:キャッチコピーの役割を理解する
キャッチコピーの役割は、「売る」ことではありません。
本文にお客さんを引き込んでいく役割です。
どのような情報がお客さんを本文に引き込めるのかは、次の3つで考えてください。
1:お得
2:快楽を得る
3:痛みを避ける
この3つは人間の本能的なものですから、論理的な説明は不要かもしれませんね。
準備3:ペルソナを設定する
多くの人に支持されている名曲というのは、実は一人のために作られたと言われます。
キャッチコピーも同じで、一人の人の心に強く響くものは、多くの人に届くという法則があります。
ポイントは、一人の人をどう設定するのかということです。
設定するひとりをペルソナと言われます。
ペルソナは環境と価値観で設定すると、明確になりやすいと言えます。
1:環境
年齢、性別、家族人数、収入、職業、学歴、住まい(住所)
化粧品や健康食品は、年齢や収入によって使うものが変わってきます。まずは、環境により3つのパターンの購入者を予測して表にまとめてみます。
その中で、最も自社の商品やサービスにマッチしているパターンを考えます。
ここではオールインワンの化粧品を想定してパターンを組んでみます。
<パターン1>
年齢、20~29歳
性別、女性
家族人数、単身
職業、OL
収入、月収20万
学歴、短大卒
住まい(住所)東京
<パターン2>
年齢、30~39歳
性別、女性
家族人数、夫婦二人
職業、OL
収入、月収25万(ご主人とダブルインカム)
学歴、短大卒
住まい(住所)東京
<パターン3>
年齢、40~49歳
性別、女性
家族人数、家族と子ども
職業、OL
収入、月収30万
学歴、短大卒
住まい(住所)東京
と想定した場合、化粧品の価格が高い場合、購入体力を考えてパターン3となり、低価格帯の場合はパターン1か2をペルソナに添えます。
2:価値観
どんなにお金があっても自分の価値観に合わないモノに人はお金を使いません。
次は、環境で設定したペルソナの価値観について考えます。
価値観の検討内容は、
仕事観、金銭感覚、家族の優先順位、人間関係、健康、美意識
ここでは、パターン3の価値観を考えてみます。
仕事観 安定、残業は少ないほうがいい
金銭感覚 それほど多くは望まない、夫と共働きでプチ贅沢をしたい
家族の優先順位 子どもが第一
人間関係 悩みを聞いてくれる同性の友達が数人いればいい
健康 添加物には気を付けている
美意識 実年齢よりもきれいでいたいと思っている
ライフスタイル 都会に住みながらカントリー
環境と価値観からペルソナを設定します。
準備4:お客様の種類を絞る
さて、次に考えるのは、ペルソナの置かれている心理的な状態です。
お客さんの種類は心理的に3つに分類されます。
今すぐのお客さん
急いで商品を欲しい理由がある人。
迷い中のお客さん
商品は欲しいけど、買うことを決断できない人
そのうちのお客さん
興味はあるけど、今必要としていない人
マーケティングの原則的には、迷い中も、そのうち客のアドレスや住所を取得してDMやメールにて意識付けを強化することをすすめられますが、チラシデザインにおいては、今すぐ客にのみ向けたキャッチコピーを考えます。より狭く絞ることで、ペルソナが実体化していきます。
ペルソナの設定では、なぜ、今すぐ買わなければならないのか?ここを考えることがポイントです。
今すぐに商品を買いたいお客さんは、状態に我慢ができないか、期限に迫られています。
体の痛みなら、すでに我慢できない状態になっている。
心の痛みなら、うっとおしい人間関係に我慢ができない。
体と心の痛みが両方なら、荒れた肌で人前に出たくない。
ということです。
期限とは、何かをしなければならない日時が物理的に決まっているということです。
来月からの海外出張に際して、英会話を学ばないといけない。
資格試験が2か月後に迫っている
結婚式が決まっているのでダイエットがしたい
などとなります。
高級車がほしい、宝石がほしい、おいしいものが食べたいという欲求も同様なのですが、痛みに比較すると行動同期が弱くなる傾向があります。
ペルソナの中で、あなたの商品を今すぐ買う必要のあるお客さんは、そんな状態であるか、どんな期限に迫られているのかを考えます。
化粧品の場合では、
状態は
毎朝、子どものお弁当づくりが大変
化粧に時間がかかる
日中に何度も化粧直しが必要
寝る前に落とすのが大変
期限は
今使っている化粧品がもうすくなくなる
という具合になりますが、化粧品の場合は、状態で考えるほうが効果的かもしれません。
準備5:最も効果的な訴求を考える
ここまで、キャッチコピーの原則と役割、ペルソナの状態と期限を考えてきました。
最後に、訴求のコンセプトを考えます。
まず、お得感の場合は、どれだけサービスができるのかを考える。他社との比較になります。消費者は同様のサービスをよく研究しているので、よりお得に見えるということが大切です。
例えば、特定の商品が半額の場合。
全品が10%オフの場合、
どちらがお得感を感じるかを考える必要があります。
快楽と痛みに関しては、
あなたの商品が0をプラスにする商品なら快楽、マイナスを0にする商品なら痛みを訴求することが効果的だと言えます。
それぞれ最低でも10個は考えていただきたいと思います。
ここまでの準備をしてからキャッチコピーの作成に入ります。
実際にキャッチコピーを作るためのキャッチコピーの型についてはこちらで案内しています。
まとめ
キャッチコピーを作成する場合は、いきなり作らないことが大切です。まずは、お客さんについてしっかりとリサーチをすること。この記事でお話ししたことをやってからキャッチコピーを作成するようにしてくださいね。